遠距離介護が始まった…

突然起こった親の介護問題。なにもかも初めてで手探り状態ながらも、自分なりのスタイルを模索している実践記

必死に生きている父を感じたとき

父はこの暑さの中、家中を歩き回り、
西日よけのカーテンを全部開け、窓も全開に、
挙げ句の果てには棚に飾ってある置物を片付けようと動かし、
掛け軸を破り捨て、全身汗まみれ・額からは玉の汗をしたたらせているらしい。

そのあとは、食器棚の引き出しをあけて
中身を全部だしてみるけど、自分で戻せないので
後片付けはすべて母がやるとのこと。

まぁ、そうはいっても
体調はよいみたいなので、
私も母も、以前にくらべて心配しなくなってきた。

でも、毎日なにかしら新しいことをしでかすらしく、
それに振り回される母は、かなりグッタリお疲れモード。

母の手や身体が熱いので、
病気じゃないかと心配になった父は
急にすごーーく大声で

「おーーーーーい! 誰かおらんか!!!」 

と叫びだし、その声の大きさに母はビックリ。
慌てて、「大丈夫よ」と言ってなだめたそう。

「あんな大声、今までで始めて聞いたわ。
 近所の人が聞いたら、何事かと!とビックリするだろうけど、
 幸い、家が広いから外まで聞こえなかったみたい」

と話していた。
必死で助けを呼ぼうとした父の気持ちを考えると
なんだか胸につまされるというか、
かわいそうというか、
なんともいえない気持ちになった。

父は父なりに必死で生きているんだな
って思えて、何にもしてあげられない自分に
罪悪感を感じてしまう。
また、必死な父にくらべて
ノラクラと仕事している自分の怠け者さ加減にも自己嫌悪。

とにかく、目の前のことに全力で、
一生懸命頑張ろうと、気持ちを新たにしたのでした。