遠距離介護が始まった…

突然起こった親の介護問題。なにもかも初めてで手探り状態ながらも、自分なりのスタイルを模索している実践記

山の木と父のすごさ

先日、裏山の木が大きくなりすぎて
村の集会所に新設したソーラーパネルが日陰になってしまうので
切って欲しいと集落の方から要望があったそうです。
木を切る手配は、このことを伝えにきたY氏がやってくださるらしく、
ウチには木を切る許可と支払いだけして欲しいとのことでした。

その話を聞いて、母は、さっそく私に電話で相談してきたのです。

それらの木はどこにあってどんな様子なのか、ぜんぜん知りませんでしたが、
例によって、お世話になっている集落にご迷惑をかけてはいけないと思い、
すぐさま了解するように母に伝え、今月の始めに切ることになりました。
大きな木1本と細い木3本の計4本の
切断と木の運搬・処分でしめて30万円弱かかるそうです。

意外とかかるものなんですね。

8月始めに無事に木は切ってもらったのですが、
父はまったく興味を示さず、見に行くこともしなかったそう。
父の介護で忙しい母も見に行く暇がないというので、
私がお墓掃除に行ったときに裏山の写真を撮って両親に見せてあげたのでした。

その写真を見た父がボソボソ何か言っています。
よーーーく聞いてみると、


「木を切った後は、その隣に新しい木を植えなければいけない。
(写真には新しい木がみあたらないので)
そうしないと、山の斜面の土砂が崩れてきてしまうぞ!」

 

へー、そんなこと知らなかった!!


この写真を見ただけで、すぐにそんなことを考えつくとは、すごい!!!

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まだまだ父の頭の中には英智がたくさんあるようです。
ときどき、こんな風にキラッと輝く時があります。
そんな時は「ほんとうにすごいなー」と、改めて尊敬します。 

 

この話、実は後日談があります。

私たち親子は、
村の集会で話し合って決まったことを
Y氏が伝えに来たと思っていたのですが、
実際には、村の人は誰も知らず、
近所に住むY氏の独断だったそうです。

しかも、その話を聞いて驚いた、山に詳しいH氏が、
木をきっている最中に現場に駆けつけ、
もっとキレイに木を切って欲しい、
ついでに近くの枝も落として欲しいとお願いしてくださったのですが、
作業をしている森林組合の職員の方は
「見積の中にはいっていないことはできません」
といって、要望はなにひとつ聞かず、
木を切ってさっさと持って帰ってしまったそうです。

H氏によると、
本来ならもっと木の根元の低い位置で切った方が
見た目もスッキリするし、山のためにもいいんだけど、
その職員たちは自分たちが切りやすい高さで適当に切ったまま放置し、
低く切り揃えることもしなかったそうです。

ウチの裏山の傾斜くらいなら、新しい木を植えなくても崩れることはないだろうとのこと。
それを聞いてひと安心しましたが、
30万円弱も支払ったのに、ずいぶんとずさんだなぁーと思いました。
森林組合の職員なら私たちよりももっと山のことを知っているでしょうに。。。
山の自然を保護して、育てていく気がないのかな。

今は、無神経に切り落とされたぶざまな木の残骸だけが残っています。
それを見ていると、少し心が痛み、悲しくなりました。

 

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