遠距離介護が始まった…

突然起こった親の介護問題。なにもかも初めてで手探り状態ながらも、自分なりのスタイルを模索している実践記

ペースメーカーの交換手術 救急車で搬送 その2

5/10
家に戻ってから、父は、リビングの床で寝転んだまま過ごし、
そのまま、朝まで寝ていたらしい。

朝食も寝転んだまま、母に食べさせてもらっていた。
体を起こして、あぐらをかいた状態になってくれたので、
お水とお薬を飲んでもらう。

一日中、床の上でゴロゴロと寝転んでいる。
時々、苦しそうな様子だけれど、
しばらくすると収まるみたい。
午後7時ごろから苦しがる様子が長引いてきた。
30分後には、「苦しい」と言いだし、
顔をしかめている。

「あー、苦しい」と、
あっちを向いたり、こっちを向いたり、
体を起こしてくれといって、あぐら状態になっては、
またすぐに、ゴロリと横になる。
時折、ギューッと顔をしかめて、かなり苦しそう。

数年前の心不全の発作を思い出し、
不安がよぎる。
救急車を呼ぼうか。。。
そのまま朝まで様子をみようか。。。

県立病院の救急受付へ電話してみる。
「不安なら病院まで来てください。
自力が無理なら、救急車で搬送してもらってください」

どうしよう。。。
母もオロオロしているばかり。
父は「なんとかしてくれ。。。」と苦しがる。

午後8時。
このまま不安な夜を過ごし、手遅れになったら後悔しそう。
何事もなくてもいいから、救急車を呼ぼう!

そう決めて、搬送してもらうことにした。
母が救急車に同乗し、私が車であとから追いかけることにした。

午後9時半頃、私が病院に追いつく。
父は検査中で、母が待合室で座っていた。
母の話では、救急車で酸素吸入してもらったら、
途端に楽になったようだとのこと。

ドクターが来て、
「レントゲンの結果を以前に受診したときと比べてみると、
右側が白く曇っている。認知症のために痛みがどこにどの程度あるのか本人から聞き取りができないので、もう少し検査してみます。」
と説明してくれた。

その後、CT、血液検査を行い、
結果を待つ。
その間、父はじっとしていることができず、
看護師さんがそばに付き添ってくれるように頼みに来た。

超不機嫌な様子。
ベッドの上でしきりに動き、体を起こしたり、
足をベッドの柵から出そうとしたり。。。
とうとう心電図のコードを引っ張って取ってしまった。

少し落ち着いて、ウトウトし出した頃に
また、ドクターが来て、
「大丈夫ですか?」と大声で声かけをしたものだから、
びっくりして起きて、すぐに怒りだした。
「ほっとけ〜!!!」
「触るな!!」
「ぶん殴ってやる!!」
「ぶっ殺すぞ!!」
と怒鳴りだし、ベッドの柵をガチャガチャ動かし、
右向いたり、左向いたり、起こしてくれと手を伸ばしたり。。。

しばらくして、検査結果が分かったと
再びさきほどのドクターがきた。
肺に水が溜まっていたのがレントゲンの曇りの原因のようだとのこと。
軽い心不全の発作が起きたため、苦しがったらしいこと。
肺・心臓ともに機能は、かなり弱っているが、
すぐに治療が必要な状態ではなく、今日はそのまま帰ってもよいという。

時間は午後11時すぎ。
どうやって連れて帰ろう。。。。
こんな時間だと手伝いを頼むにも、頼むところがない!

とりあえず、車にさえ乗れれば、
帰宅して車から家への移動が無理でも
車中で夜明かしできると母がいうので、
つれて戻ることにした。

ベッドから車椅子に移動させるのに、
いったん立たなければならないので、
そのタイミングで紙パンツを交換したいと母がいうので、
病院で替えのパンツを販売してもらい、
着替えさせることにした。

紙パンツを履かせるのに手間取ってしまったため、
再び、父の怒りに火がついて
口汚く大声で怒鳴りだし、
周りにいた病院スタッフや患者さんも驚いた様子。

なんとか車椅子に乗せて、会計に。。。
診察費は5000円弱。
まだ時折怒鳴り散らしていたので、
早々に駐車場へ。

車椅子から車の後部座席に乗り込ませる。
背が高いので、上体をかがめないと
頭があたって車内に入れないのだけれど、
その「上体をかがめる」ができない。
頭が入らないので、
後部座席にもチョコンと浅く腰掛けているだけで、奥にいけない。
うまくいくこともあるけど、不機嫌も手伝って、なかなか乗り込めない。
(その間、ずっと怒鳴っている。。。)

そうこうしている内に、
ズルズルと車外にでてしまい、
そのまま膝から座り込み

「もういい!!」

といって、地べたに寝転がろうとする。
自分たちだけではダメだと思って、
病院へ戻り、助けを頼む。

ずっと怒鳴り散らしていたので、
「さっきのあの人。。。」っていって、
状況を察してくれたようで、
看護師さん2人と別のドクター1人が快く応じてくれた。

3人がかりで無理矢理、車に押し込み、
なんとか帰路につく。
車中でもずっと怒っていて、
ときどき怒鳴ったり、文句をいったり。。。

自宅ガレージまでなんとかたどり着く。
さぁ、ここからどうしよう。

母が上手に車から降りるように誘導。
さすが母!!
怒りながらも車から降りてきた!

ヨチヨチ歩きながら、玄関へ。
あと2〜3mのところで力尽きたのか、座り込んでしまった。
コンクリートの床の上に寝転がろうとするのを必死で食い止めながら、
立ち上がる支えにしようと椅子をもってきたが、
うまく立ち上がれない。

だるま転がしのように、
寝転んだり、あぐら状態に起きたりするタイミングで
少しずつ玄関の入り口へ引っ張る。

なんとか奇跡的に
5cmほどの段に腰掛けるように座らせることができた。


あとは玄関から部屋までの20cmほどの段をあがるだけだ。

私が背後から両脇に腕をとおして、
抱え上げるように後ろへ引っ張り上げる。
「もうだめだ。。。」と力が抜けそうになった
ギリギリのところで、20cmの段に腰掛けさせることができた!!

ここまでくれば、ズルズルと引っ張り上げることができる!

四苦八苦して、
家の床の上に上がれた!!!!
時間は午前2時すぎ。

こんなことなら、
自宅で様子をみていたほうがよかったかな。
母にも余計な苦労をさせて、
すっかり疲れさせてしまった。。。
そう思うと、申し訳ない気持ちでいっぱいになった。

しばらく玄関先でゴロゴロしていたが、
母の「お部屋に行って休みましょうか」の声に、
「うん」と答えて、なんとか車椅子に乗ることができた。

なんとか部屋まで戻れたので、
私は自室に戻って寝ることにした。
自室に戻ったのは午前3時すぎ。
長い一日となってしまった。